世界初!究極的な美しさを誇るプリンセス カット ダイヤモンド
2018年マスターカッターのフィリッペンス・ベルト氏は世界最大のプリンセスカットサプライヤーであるサイトホルダーの要請により、あたらしい試みを始めました。それはプリンセスカットにカットグレードを設けると言う世界で初めての試みです。長らく基準が無く、何をもって最高グレードとするか?が決まっていなかったプリンセスカットの輝きを最大に引き出す試みです。しかも今回ベルト氏が取り組むのはトリプルエクセレントです。ラウンドブリリアントにしか採用されて居なかったカットグレード、しかもトリプルエクセレントです。トリプルとはカットの総合評価、表面研磨、対称性の3項目が全て最高評価のダイヤモンドに与えられる名前です。鑑定機関も日本国内初登場となる【デビアス・グループ・インダストリー・サービス(DeBeers Grope industry service)】ダイヤモンドのスペシャリストとして名高いデビアス鑑定によって保障されます。そして2019年10月ブリッジ銀座アントワープブリリアントギャラリーに世界初のトリプルエクセレント評価を得たプリンセスカットダイヤモンドが登場しました。
‘world’s best princess cut’
プリンセスカットの仕上げにおいて大切なことは、研磨の正確性です。正方形にかたどられた天然石を左右上下対象に研磨仕上げするには非常に高い技術が要求されるからなのです。マスターカッターのフィリッペンス・ベルト氏はダイヤモンドを左右対称に磨き上げることにかけて彼の右に出る者はいないと言われる究極の研磨者です。しかもその系譜には平面の多いステップカットの流れをくむプリンセスカットには多くの平面的なファセットが採用される為、原石の良し悪しはもちろん事、作業者のポリッシュ研磨技術がとても重要なのは言うまでも有りません!
2018年末フィリッペンス・ベルト氏によって引き出された究極的な美しさを誇るプリンセスカットダイヤモンドは世界初のトリプルエクセレント評価を獲得しました。ベルト氏はダイヤモンドから効率よくファイヤーを引き出す天才です。彼の手で研磨されたダイヤモンドは特別な美しさを発揮するのです。プリンセスカットは世界最高レベルの研磨技術を持つベルト氏の手によって最高のファイヤーを発揮し始めたのです。
そして2019年より世界に先駆けて日本の花嫁のためにベルト氏が手掛けたトリプルエクセレントのプリンセスカットダイヤモンドがBRIDGE銀座に登場します。
プリンセスカットは1979年にダイヤモンドクリエイターのイスラエル・イツコウィッツの開発チームによって開発された比較的新しいカッティングプロポーションのダイヤモンドです。
正確無比な研磨が圧倒的なブリリアンスとファイヤーを発揮させる
プリンセスカットの特徴として、大きくとられたテーブル部分で光を強く跳ね返すことと、独自に設定されたシェブロンファセットから反射するブリリアンスが石表面でファイヤーとなって表れる事です。ラウンドブリリアントカットにおいても輝きの中でファイヤーの重要性を一番に考えて研磨を施すフィリッペンス・ベルト氏にとってこれほど”取り組みがい”のあるダイヤモンドは無いのです。
プリンセスカットはエメラルドカットやステップカットなどの他の四角い形状のダイヤモンドと大きく異なりパビリオン部分にブリリアントカットを施している為、エメラルドカットやステップカットにはないダイヤモンド特有のファイヤーを強く発揮します。プリンセスカットには正方形と長方形が在りますが、エンゲージメントダイヤモンドとして人気が高いのは正方形です。しかもトリプルエクセレントに求められる縦横比率は1:1.01以内とその誤差1%以内に設計されます。(通常高品質とされるプリンセスカットでも5%程度)上品なシンチレーションの中にダイヤモンドを最も美しく輝かせるファイヤーが強く発輝される事が特徴です。
ラウンドブリリアントと同じ58面で設計された現在のプリンセスカットはソーヤブル原石から研磨した際の歩留まりも良く、場合によっては原石の目方を20%しかロストせずに仕上げる事が出来ます。これは通常約55%の原石目方をロストし45%しか残せないラウンドブリリアントから考えると非常に効率よく原石を活かしダイヤモンドの持つ美しさを引き出している事に繋がります。しかし、80%の歩留まりを保ったのでは”カラット優先の厚い石”となり美しさと輝きは半減してしまいます。プリンセスカットのトリプルエクセレントではクラウン角度とパビリオン角度が固定され圧倒的な美しさと輝きを実現したのです。
圧倒的な美しさで仕上がるトリプルエクセレント
プリンセスカット取り扱い注意点とは?
四角く仕上げたブリリアントが凛とした印象で 人気の高いプリンセスカットですが、その取扱いには注意が必要であるとされています。それは4隅の尖ったエッジは、上品なラインを作り出す反面、衝撃に脆くぶつけた際に割れてしまう事が有るからなのです。弊社以外の多くの宝石を取り扱うWebサイトで【プリンセスカットは割れやすい】と記載しています。確かにエッジ部分は鋭利な分、脆い性質を持っているのですが、最高グレードのプリンセスカットでは、耐久性も考慮される為にエクセレント評価を獲得したBRIDGE銀座アントワープブリリアントギャラリーで取り扱うデビアスの正規プリンセスカットについて、本当に割れやすいのかどうかを少し説明したいと思います。
確かにダイヤモンドは”ひっかき傷”に対する耐性、モース硬度10なのですが、割れやすさの耐性、靭性は7.5と宝石の中では並程度の強さです。等軸状に整ったダイヤモンドの結晶には劈開と言う割れやすい結晶目の様な方向が有り、その方向に垂直に衝撃を加えると簡単に割れてしまいます。その強さは7.5と水晶と同程度です。そこまで簡単に割れるわけではないですが、リングにセットして手を激しくぶつけるなどの、強い衝撃には耐えれない事も有る様です。
そして鋭利なファセットを持つ宝石はダイヤモンドに限らずどんな宝石でもそこはウィークポイントに成ります。プリンセスカットでいうと4隅の角ですね。この場所はダイヤモンドの生地も薄くなって強度が担保出来にくい場所です。しかも4隅は鋭利に尖っていますので、衝撃に弱くその場所から割れてしまうリスクがあるのです。
しかし今回デビアスの設計したトリプルエクセレントのプリンセスカット設計図では4隅を丸く仕上げることがルール化されました。この丸いエッジを【スライトリー ブルナット エッジズ(Slighrly Blnut Edges)】と呼びます。直訳では”鈍い角”実態顕微鏡で拡大して観察すると実際に丸く仕上げてあります。これによってプリンセスカットの弱点だった強いエッジの角部分は改善されたのです。
プリンセスカットダイヤモンドの誕生物語
プリンセスカットはイスラエル・イツコウィッツ(Israel・Itzkowitz)という天才ダイヤモンドデザイナー(マスターカッター)の手で開発されます。先ずはその名前が登場する所から紐解いていきます。イツコウィッツは1954年生まれ現在も現役です(2019年)ダイヤモンド研磨一家に生まれた彼は14歳の時に初めてダイヤモンドを研磨しキャリアをスタートさせます。その後さまざまな偉業を成し遂げていくのです。→イツコウィッツについて詳しく
プリンセスカットと言う名前が最初に登場するのは1961年イギリス・ロンドンのダイヤモンドカッターアルパド・ネギー(Arpad Nagy)によってデザインされた “プロファイル(Profile)”カットがプリンセスカットの名称を使用した事によります。しかしこの時プリンセスカットはそれほど有名になるわけではありませんでした。それはヘンリーDモースによって開発されたブルーティングマシーンを使って改善されたステップカットの変形のひとつでしかなかったからです。技術的な問題でブリリアントカットを施す事が出来なかった四角いフォルムのダイヤモンドの持つ魅力を 私たち人類はこの時未だ完全には引き出せていなかったのです。
話は少し飛びますが、1976年にオーストラリア人でディアマンテールの元で修業しマスターカッターとなったヘンリー・グロスバード(Henry Grossbard)はラディアントカット(右図)を開発します。グロスバードが開発したラディアントカットは、それ迄ダイヤモンドデザインにおいて不可能だったステップカットクラウンにブリリアントカットパビリオンを組み合わせる世界で初めてのハイブリットカットでした。ハイブリットな組み合わせはプリンセスカット完成に不可欠な要素であったためイツコウィッツ達はラディアントカットに大きな刺激を受けたと言います。そして更なるダイヤモンドの研究を進めていきます。
当時ダイヤモンドのマスターカッターとして既に名声を得ていたイスラエル・イツコウィッツはダイヤモンドを直線に並べるデザインであるチャンエルセッティングにおいて、ダイヤモンドと隣り合うダイヤモンドの間に僅かな隙間がある事を問題だと感じていました。そこで手始めにイツコウィッツは隙間のないチャンネルセッティングを完成させるためにカットコーナーを持たないダイヤモンドを作り出す決断をします。それは同時に90度のコーナーであっても輝きを損なわない設計が必要でした。しかもこの時イツコウィッツはラウンドブリリアントの様な石の美しさを最大にするカットを望んでいたのです。
イツコウィッツは彼の叔父でダイヤモンドカットの師匠でもあったマスターカッター”イガル・パールマン”(Ygal Perlman)とラディアントカットの開発者ヘンリー・グロスバードの協力を得て、光学的なあらゆる輝きの可能性を試しました。何ヶ月にも及ぶ光学的研究とさまざまな切断方法を用いた数え切れないほどの実験の後、イツコウィッツとパールマンは見事に真っ直ぐな角を持つ新しい正方形のカッティングプラン思い付きます。そして出来上がったカットをクァドリリオンカットと名付けました。※この時クァドリリオンカットの開発チームにはヘンリー・グロスバードの他にも複数の著名なマスターカッターも参加していました。
完成したクァドリリオンカット(Quadrillion Cut)。このカットはダイヤモンドクリエイターでマスターカッターのイスラエル・イツコウィッツ氏らの開発チームで発表されます。クァドリリオンカットは49ファセットでシンプルに仕上げられた四角いダイヤモンドとして注目を集めます。
イツコウィッツは90%の角が隙間を残さずに石を隣同士に並べることを可能にし、チャンネルセッティングにおいて切れ目のない輝きの新しい外観を生み出すことに成功したのです。イツコウィッツはこのカットを使って様々なデザインを生み出していきます。彼の生み出したものの中で特にインビジブルセッティング(ミステリーセッティング)は世界的にも有名な発明と言えます。実はこのクァドリリオンカットの誕生こそ現在のプリンセスカット”その物”なのです。
イツコウィッツによって見いだされた新しい形のダイヤモンド、”クァドリリオンカット”ですが、これをイスラエルのダイヤモンド研磨工たちが真似て多くの四角形のダイヤモンドがこの後、市場に登場します。現在のプリンセスカットにはカラットサイズや原石の目に沿って設けられた2~4段のシェブロンファセットが存在します。イツコウィッツのクァドリリオンカットではそれらのシェブロンファセットの設定が在りませんでしたので、この時市場に出回った多くの四角のダイヤモンドはイツコウィッツのクァドリリオンカットとは若干異なる形だったのです。
人々はこの時、名不明のこのダイヤモンドに”プリンセス”という名前を与えました。シンチレーションとファイヤーに優れたクァドリリオンカット(プリンセスカット)の持つ”凛”とした輝きはプリンセスの様な気品を持ったカットだと多くの人の共感を呼び、クァドリリオンカット、別名プリンセスカットは瞬く間に市場に浸透していきます。
そして1979年イツコウィッツはクァドリリオンカットの進化版として正式にプリンセスカットを発表します。それが現在のプリンセスカットなのです。
しかし、ラウンドブリリアントに負けない輝きを求めて開発されたプリンセスカットですが、歩留まり優先で厚いクラウン設計の”歩留まり優先”の輝かないダイヤモンドが市場に数多く出荷されています。今回のトリプルエクセレントの試みによって、厚いカットや平坦なカット等ど一線を画すプリンセスカットの本来の美しさをお楽しみいただけると言うものなのです。
全国の取り扱い店舗でぜひその輝きを御確認下さい。